本稿では CentOS/RedHat に rbenv と ruby-build プラグインをインストールする手順について説明します。
「そもそも、Ruby を CentOS/RedHat にインストールする方法ってどんなのがあるの?」という方は、別記事「RubyをCentOS/RedHatにインストールする4つの方法」を御覧ください。
事前準備
rbenv は GitHub 上で開発/配布されているオープンソース・ソフトウェアです。 最新の rbenv を GitHub から取得するために、CentOS/RedHat に Git をインストールしておく必要があります。 (もし Git の知識に自信がないけど rbenv を利用したい方は zip 形式でもダウンロードできますが、公式でアナウンスされているインストール手順ではない点を留意してください。)
CentOS/RedHat にインストールする Git のバージョンにこだわらないのであれば、つぎのように yum でインストールしてしまうのが手軽です。
# yum install git
# git --version
git version 1.8.3.1
rbenv をインストールする前に考えないといけないこと
rbenv をインストールする前に考えるべきことは「どのユーザーが Ruby を利用するのか」「どこに Ruby をインストールするのか」です。
rbenv 公式ページに書かれているインストール方法は Linux ユーザーの1ユーザーのホームディレクトリ内にインストールする方法なので、もしLinux 上の複数のユーザーが Ruby を使いたいようあればそれだけインストール作業が必要になってしまいます。
サーバー用途などでどのユーザーからも Ruby が利用できるよう(“システムワイド”というらしいです)にしたいのであれば、 /opt の配下にインストールするなどして rbenv を導入した方が良さそうです。
以下では、それぞれの方法について説明したいと思います。
(方法1) rbenv を特定のユーザー用にインストールする場合
GitHub から rbenv を ~/.rbenv (ホームディレクトリ直下の .rbenv フォルダ) にダウンロード (clone) します。
$ git clone https://github.com/sstephenson/rbenv.git ~/.rbenv
Cloning into '/home/vagrant/.rbenv'...
remote: Counting objects: 2314, done.
remote: Total 2314 (delta 0), reused 0 (delta 0), pack-reused 2314
Receiving objects: 100% (2314/2314), 408.29 KiB | 352.00 KiB/s, done.
Resolving deltas: 100% (1445/1445), done.
※ZIP形式で rbenv を入手される方はこちらから入手できます。 ダウンロードしたZIPを ~/.rbenv に解凍します。
インストールした rbenv のコマンドラインツールを利用できるように、環境変数 $PATH に ~/.rbenv/bin を追加します。 ~/.bash_profile に export PATH の行を追記します。
$ echo 'export PATH="$HOME/.rbenv/bin:$PATH"' >> ~/.bash_profile
ターミナル起動時に “rbenv init” を実行するように、.bash_profile に実行コマンドを追記します。
$ echo 'eval "$(rbenv init -)"' >> ~/.bash_profile
以上の2つのコマンドで .bash_profile ファイルの最後に、以下の2行が追記されたと思います。 確認してみてください。
export PATH="$HOME/.rbenv/bin:$PATH"
eval "$(rbenv init -)"
以上でインストールは終了です。 ターミナルの起動スクリプトに色々と追記した為、起動スクリプトを読み込み直すために、一度ターミナルを落として再度ターミナルを立ち上げ直します。 そして、正しくインストールできたかを確かめましょう。
$ rbenv
rbenv 0.4.0-212-g20755cf
usage: rbenv <command> [<args>]
(以下略)ƒ
rbenv 0.4.0 がインストールされたことが確認できました。 次は ruby-build をインストールします。
ruby-build は rbenv のプラグインです。 rbenv をインストールしたディレクトリ内の plugins フォルダ内にインストールします。 ruby-build は rbenv 同様に Git で開発/配布されていますので、git clone で取得します。
$ git clone https://github.com/sstephenson/ruby-build.git ~/.rbenv/plugins/ruby-build
Cloning into '/home/vagrant/.rbenv/plugins/ruby-build'...
remote: Counting objects: 5222, done.
remote: Compressing objects: 100% (30/30), done.
remote: Total 5222 (delta 10), reused 0 (delta 0), pack-reused 5191
Receiving objects: 100% (5222/5222), 976.24 KiB | 440.00 KiB/s, done.
Resolving deltas: 100% (2873/2873), done.
(方法2) rbenv をシステムワイドにインストールする場合
次に rbenv をシステムワイドにインストールする方法です。 ここでは /opt に rbenv をインストールします。 基本的なインストールの考え方は (方法1) と変わりません。
GitHub から rbenv を /opt にダウンロード (clone) します。
# cd /opt
# git clone git://github.com/sstephenson/rbenv.git
/etc/profile に rbenv へパスを通す設定と初期化を行うための行を追記します。
# echo 'export RBENV_ROOT="/opt/rbenv"' >> /etc/profile
# echo 'export PATH="${RBENV_ROOT}/bin:${PATH}"' >> /etc/profile
# echo 'eval "$(rbenv init -)"' >> /etc/profile
ruby-build プラグインを rbenv をインストールしたディレクトリ内の plugins フォルダにインストールします。
# mkdir /opt/rbenv/plugins
# cd /opt/rbenv/plugins
# git clone git://github.com/sstephenson/ruby-build.git
Cloning into 'ruby-build'...
remote: Counting objects: 5222, done.
remote: Compressing objects: 100% (30/30), done.
remote: Total 5222 (delta 10), reused 0 (delta 0), pack-reused 5191
Receiving objects: 100% (5222/5222), 976.24 KiB | 258.00 KiB/s, done.
Resolving deltas: 100% (2873/2873), done.
おわりに
本稿では rbenv + ruby-build のインストール方法について解説しました。 次回は CentOS/RedHat に rbenv+ruby-build を利用して Ruby をインストールしてみたいと思います。 引き続き次稿もご覧ください。
RubyをCentOS/RedHatにrbenv+ruby-buildを利用してインストールする手順
http://weblabo.oscasierra.net/rbenv-install-ruby-to-redhat-1/
更新履歴
- 2013年12月23日 – 初稿を執筆しました。
- 2014年08月01日 – 記事を最新化し、方法2のインストール先を /usr/local から /opt に変更しました。
- 2015年12月12日 – わかりづらい表現を修正し、情報を最新化しました。