本稿では、近年の新たなスパム手段として増加している「リファラースパム」とは何かを解説し、その対策方法についても解説します。
リファラースパムとは?
WEBサイトを管理している方であれば、誰でも「自分のWEBサイトは、どのサイトからの訪問者が多いのだろうか?」と、アクセス元のサイトが気になるはずです。 ほとんどのブラウザが実装している仕組みとして、WEB ページにアクセスした際にはアクセス元URLが「リファラー (referer)」という情報としてアクセス先のWEBページに伝達されますので、Google Analytics などのアクセス解析ツールを導入していれば、どこの WEB サイトからアクセスしてくれる人が多いのかを簡単に知ることができます。(下図は Google Analytics の画面の例)
アクセス元のサイトを確認していると、既に知っているサイトもあれば全く聞いたこともないようなサイトが表れる場合があります。 全く知らないサイトの場合「この WEB サイトは一体どのようなサイトなのだろう?」と興味が湧きますね。 しかし! その興味を悪用したスパムこそが「リファラースパム」なのです。
上図の5番目に表れている「success-seo.com」などは正にリファラースパムのサイトで、思わずサイトにアクセスしてしまうと悪質なショッピングサイトなどに誘導されてしまいます。 もちろん、そのサイトにはあなたの WEB ページへのリンクなどは一切ありません。
このように「このアクセス元はどのようなサイトだろう?」という心理を悪用した WEB 誘導スパムがリファラースパムなのです。
リファラースパムが及ぼす問題
リファラースパムが及ぼす問題として、次のような問題があります。
- アクセスすると悪質な WEB サイトに誘導される、更にはウィルスに感染させられる可能性がある
- アクセス解析を阻害される (正しいアクセス数を把握できない)
リファラースパムの被害にメリットとなることはありませんので、次のような対策を行いましょう。
リファラースパムの対策
リファラースパムの対策の一つとしては、リファラースパムのアクセスはアクセス解析結果に表示させないことです。 多くの WEB 管理者が利用している Google Analytics では「フィルタ」の機能を利用することでリファラースパムのアクセスを統計対象に含めないように設定できます。
Google Analytics の設定例
メニューの「アナリティクス設定」から「フィルタ」を選択します。
「+新しいフィルタ」ボタンをクリックして、新しく作成するフィルタの入力画面を表示します。
「フィルタ名」に自分で分かりやすい名前を入力し(ここでは “success-seo.com 除外フィルタ” という名前を付けました)、フィルタの種類「カスタム」を選択して更に「除外」を選択します。 フィルタフィールドとしては「参照」を選択し、最後にフィルタパターンに除外したいホスト名を入力します。 「保存」ボタンをクリックすればフィルタの出来上がりです。
作成したフィルタにより、これ以後のリファラースパムのアクセスは、アクセス統計に現れなくなります。
おわりに
本稿では リファラースパム の概要と対策について解説しました。 適切な WEB アクセス解析をするためにも是非対策を行うことをオススメします。