本稿ではデータベースサーバー MySQL Community Server 5.6 を yum を利用して CentOS 7 にインストールする手順について解説します。
事前準備
CentOS 7 には mariaDB という MySQL 互換のデータベースサーバーがデフォルトでインストールされている場合がありますので、これからインストールする MySQL と競合を起こさないように削除しておきましょう。 つぎのコマンドのように mariaDB 本体とデータフォルダを削除しておきます。
# yum remove mariadb-libs
# rm -rf /var/lib/mysql/
MySQL 公式 yum リポジトリの追加
RHEL系の Linux は、パッケージ管理ツール yum を利用して様々なソフトウェアをインストールすることができますが、CentOS 7 からは標準リポジトリで MySQL が提供されなくなり、代わりに MySQL と互換性のある MariaDB が提供されるようになりました。 MySQL は、MySQL 公式の yum リポジトリを利用することでインストールできます。
まずは CentOS 7 に MySQL の yum リポジトリを追加しましょう。 つぎのように yum install コマンドで yum リポジトリを追加します。 (mysql57-community-release というパッケージをインストールするので、一見 MySQL 5.7 をインストールするように感じるかもしれませんが、MySQL 5.6 も含まれているので大丈夫です)
# yum localinstall http://dev.mysql.com/get/mysql57-community-release-el6-7.noarch.rpm
MySQL の yum リポジトリを追加できたことを確認するために yum repolist all コマンドで、利用できるリポジトリの一覧を表示します。 ここでは MySQL のリポジトリだけに結果を絞り込むために grep で絞込みを行って確認します。 つぎのように、mysql56-community/x86_64 というリポジトリが追加されたことが確認できます。
# yum repolist all | grep mysql
mysql-connectors-community/x86_64 MySQL Connectors Community enabled: 17
mysql-connectors-community-source MySQL Connectors Community - So disabled
mysql-tools-community/x86_64 MySQL Tools Community enabled: 33
mysql-tools-community-source MySQL Tools Community - Source disabled
mysql55-community/x86_64 MySQL 5.5 Community Server disabled
mysql55-community-source MySQL 5.5 Community Server - So disabled
mysql56-community/x86_64 MySQL 5.6 Community Server disabled
mysql56-community-source MySQL 5.6 Community Server - So disabled
mysql57-community/x86_64 MySQL 5.7 Community Server enabled: 50
mysql57-community-source MySQL 5.7 Community Server - So disabled
現在のこの状態だと MySQL 5.7 のリポジトリが有効(enabled)になっていて MySQL 5.6 のリポジトリが無効(disabled)になっているので、つぎのコマンドでこの状態を反転させます。 (yum の設定を変更するために yum-utils パッケージがインストールされていない場合はインストールします)
# yum -y install yum-utils
# yum-config-manager --disable mysql57-community
# yum-config-manager --enable mysql56-community
これでもう一度 yum repolist all | grep mysql コマンドを実行すれば enable, disabled の状態が反転したことが確認できます。
利用できる MySQL Community Server の確認
MySQL の公式リポジトリを追加すると mysql-community-server という名前のパッケージを検索することができます。 yum info コマンドを使ってパッケージの詳細情報を確認してみましょう。 (つぎの結果は2015年12月現在のものです)
# yum info mysql-community-server
Available Packages
Name : mysql-community-server
Arch : x86_64
Version : 5.6.28
Release : 2.el6
Size : 53 M
Repo : mysql56-community
Summary : A very fast and reliable SQL database server
URL : http://www.mysql.com/
...
MySQL Community Server のインストール
それでは MySQL Community Server のインストールを行いましょう。 つぎのように yum install コマンドでインストールします。
# yum -y install mysql-community-server
これでインストールは完了です。 mysqld –version コマンドでインストールした MySQL Server のバージョンを確認してみましょう。
# mysqld --version
mysqld Ver 5.6.28 for Linux on x86_64 (MySQL Community Server (GPL))
起動と停止
インストールが完了したら、まずはマシンを起動した際に自動的に MySQL Server が起動するように設定しましょう。 chkconfig コマンドを利用します。
# systemctl enable mysqld
それでは MySQL Server を起動してみましょう。 つぎのように systemctl start mysqld コマンドで起動できます。
# systemctl start mysqld
また、停止する時は systemctl stop mysqld コマンドです。
# systemctl stop mysqld
おわりに
ここまでで CentOS 7 への MySQL Community Server 5.6 の導入は終わりです。 但しあくまでもインストールが完了しただけで、開発するシステムに合わせて設定が必要ですので忘れずに行いましょう。 次稿では MySQL Server 5.6 をインストールしたら最初にやりたいセットアップについて解説しますので、引続きご覧ください。