本稿では Google 製の機械学習用オープンソースライブラリ「TensorFlow」を CentOS 7 にインストールする手順について解説します。
Python を準備する
TensorFlow は Python および C++ の2つのプログラミング言語から利用できますが、本稿では Python から TensorFlow を利用することを前提に TensorFlow をインストールします。
TensorFlow が必要とする Python のバージョンは、Python 2.7 もしくは Python 3.3 以上となっています。 Python 2.7 は CentOS 7 にデフォルトでインストールされていますので、新しく Python をインストールする必要はありません。 もし 3.3 以上の Python を利用してプログラムしたい場合には、別稿「Python 3をCentOS 7にyumでインストールする手順」などを参考に Python 3 をインストールしてください。
TensorFlow をインストールする
TensorFlow は Python のパッケージ管理ライブラリである PyPI (pip) を利用してインストールすることができます。
TensorFlow は、pip コマンドに TensorFlow パッケージのダウンロード元を指定してインストールします。 そのダウンロード元のURLは、利用してる環境ごとに違います。 次の3つの項目で指定するURLが変わります。
- 利用しているOS (Linux / Mac)
- Python言語のバージョン (2.7 / 3.4 / 3.5)
- GPUの利用可否 (CPU only / GPU enable)
本稿では「CentOS 7」「Python 3.5」「CPU only」の環境に TensorFlow をインストールしようと思います。 指定する URL は TensorFlow の公式ページに記載があります。 また2016年11月現在、TensorFlow の最新バージョンは v0.11 なので次のような次のように TF_BINARY_URL という変数に URL を宣言して pip コマンドに指定します。
$ export TF_BINARY_URL=https://storage.googleapis.com/tensorflow/linux/cpu/tensorflow-0.11.0-cp35-cp35m-linux_x86_64.whl
$ sudo pip install --upgrade $TF_BINARY_URL
これで TensorFlow のインストールは完了です。
動作確認
それではインストールした TensorFlow の動作確認をしてみましょう。 次の例のように TensorFlow を利用して足し算(10+32)を実行してみましょう。 最後に正しく計算結果(42)が出力されれば成功です。
# python
Python 3.5.2 (default, Jun 27 2016, 14:02:55)
[GCC 4.8.5 20150623 (Red Hat 4.8.5-4)] on linux
Type "help", "copyright", "credits" or "license" for more information.
>>> import tensorflow as tf
>>> a = tf.constant(10)
>>> b = tf.constant(32)
>>> session = tf.Session()
>>> print(session.run(a+b))
42
おわりに
本稿では CentOS 7 に TensorFlow をインストールする手順について解説しました。 皆様の機械学習プログラムの手助けになれば幸いです。