概要
CentOS 7 の標準の yum リポジトリでは PHP 5.4 が提供されていますが、新しくサーバーを構築する際にはもっと新しいバージョンの PHP をインストールしたい場合があると思います。 本稿では CentOS 7 に PHP 5.6 を yum でインストールする手順について解説します。
なお、もっと新しい PHP をインストールする記事をお探しの場合は、次の記事を参考にしてください。
Remi を活用しよう
上記の通り、CentOS 7 の標準リポジトリでは PHP 5.6 が提供されていません。 しかし、RedHat 系 Linux に PHP の最新版を提供することをミッションとする Remi というプロジェクトのリポジトリを利用すると、yum で最新の PHP をインストールすることができます。
Remi リポジトリの追加
それではまず Remi の yum リポジトリを追加してみましょう。 (root権限を持つユーザでコマンドを実行してください) Remi で提供されているソフトウェアをインストールするためには EPEL のリポジトリも必須要件となっていますので、EPELのリポジトリの追加を行った後に Remi のリポジトリを追加します。
まず EPEL リポジトリの追加ですが、EPEL のリポジトリ情報は CentOS 7 標準の yum リポジトリで提供されていますので、次の yum install コマンドでインストールすることができます。
# yum -y install epel-release
EPEL のリポジトリ情報がインストールできましたので次に Remi のリポジトリ情報をインストールします。 EPEL のリポジトリ情報は yum でインストールしましたが Remi のリポジトリ情報はリポジトリ情報ファイルを直接ダウンロードします。 yum のリポジトリ情報を配置するためのディレクトリ /etc/yum.repos.d に repo ファイルをダウンロードします。
# cd /etc/yum.repos.d
# curl -O http://rpms.famillecollet.com/enterprise/remi.repo
ダウンロードが完了したら Remi リポジトリのインストールも完了です。
PHP 5.6 のインストール
Remi リポジトリから PHP 5.6 をインストールする準備が整いました。 さっそく PHP 5.6 をインストールしてみましょう。
ただし Remi リポジトリは yum コマンドで通常は検索の対象にならないように設定がされていますので、Remi リポジトリを利用する際には yum コマンドのオプションに –enablerepo オプションを付ける必要があります。 PHP 5.6 をインストールする場合は、 remi と remi-php56 を指定してあげます。
Apache httpd + PHP 5.6 の組合せでインストール
PHP は WEB サーバー上で動作させることがほとんどですので、今回は Apache httpd と組合せて PHP 5.6 をインストールしてみたいと思います。 次のように httpd と php を yum コマンドに指定します。
# yum -y --enablerepo=remi,remi-php56 install httpd php php-common
...
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Package Arch Version Repository Size
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Installing:
httpd x86_64 2.4.6-31.el7.centos base 2.7 M
php x86_64 5.6.10-1.el7.remi remi-php56 2.6 M
php-common x86_64 5.6.10-1.el7.remi remi-php56 1.1 M
Installing for dependencies:
httpd-tools x86_64 2.4.6-31.el7.centos base 79 k
mailcap noarch 2.1.41-2.el7 base 31 k
php-cli x86_64 5.6.10-1.el7.remi remi-php56 4.0 M
php-pecl-jsonc x86_64 1.3.7-1.el7.remi.5.6 remi-php56 52 k
php-pecl-zip x86_64 1.12.5-1.el7.remi.5.6 remi-php56 90 k
インストールが完了したら、Apache httpd が再起動時に自動で起動するように設定します。
# systemctl enable httpd.service
そして Apache httpd を起動します。
# systemctl start httpd.service
PHP 5.6 が本当にインストールされたかを確認するため、インストールされている PHP の情報を表示する phpinfo 関数を実行する PHP ファイルを /var/www/html/info.php として作成します。
# vi /var/www/html/info.php
<?php
phpinfo();
?>
それでは今作成した info.php にアクセスしてみましょう。 http://<あなたのサーバホスト名>/info.php にアクセスします。 すると次のように画面が表示され、PHP 5.6 がインストールされたことが確認できると思います。 (画面が表示されない場合は CentOS の Firewall 機能などによりアクセスが遮断されている可能性がありますので、Firewall の設定などを見なおしてください)
おわりに
本稿では CentOS 7 に PHP 5.6 をインストールする手順について解説しました。 インストールが完了した次のステップとして次の記事を参考に、パフォーマンス設定・セキュリティ設定をすることをお勧めします。