本稿では、CentOS 6 に POP/IMAP サーバーである Dovecot を yum でインストールする手順について解説します。
Dovecot とは?
Dovecot (ダヴコット) は、サーバーに保存されたメールを読み込めるようにするためのサーバーソフトウェアです。 Dovecot はメールを読み込む方法として、POP と IMAP という方法(プロトコル)をサポートしています。
POP は、サーバーからメールを読み込んだらサーバー上からメールを削除してしまう思想のメール受信方法です。 一方 IMAP はサーバー上にメールを保管しておくことを発想とする方法です。 IMAP はサーバー上にメールを残し続ける発想ですので、利用するクライアントが変わってもメールを確認することができます。
また、Dovecot が読み込めるメールの形式として「mbox形式」と「Maildir形式」をサポートしています。 それぞれの形式の違いについて、別稿「メール保管形式「mbox形式」と「Maildir形式」とは?」で解説していますのでご覧頂きたいのですが、Dovecot の設定の際にはどちらのメール保存形式を利用しているのかを予め知っておく必要があります。
Dovecot のインストール
それではさっそく Dovecot をインストールしてみたいと思います。 ここでは yum コマンドを利用してインストールを行います。 インストールには root 権限が必要です。
# yum install dovecot
インストールした Dovecot のバージョンは、次のコマンドで確認することができます。
# /usr/sbin/dovecot --version
2.0.9
Dovecot の設定
Dovecot をインストールすると、/etc/dovecot に設定ファイルが作成されます。 その中の /etc/dovecot/conf.d/10-mail.conf を設定します。
# vi /etc/dovecot/conf.d/10-mail.conf
設定ファイルを開くと mail_location という変数がコメントアウトされている行があります。 コメントアウトを外してサーバー上のメールが保管されているパスと保管形式を記述した行を追加します。
#mail_location =
mail_location = maildir:~/Maildir
mail_location は メール保管形式:ディレクトリ で指定します。 メール保管形式は上記の通り、mbox か maildir です。
基本的な設定はこれで終わりますので、設定ファイルを上書きしてください。
Dovecot の起動
Dovecot を起動してみましょう。 起動は service コマンドで行います。
# service dovecot start
Starting Dovecot Imap: [ OK ]
また、マシンを再起動した時にも自動的に Dovecot が起動するように設定しましょう。
# chkconfig dovecot on
これで Dovecot が利用できるようになりました。 ファイアウォールが有効になっている場合は POP であれば110番ポート、IMAP であれば143番ポートを開けておくことを忘れないでくださいね。
おわりに
本稿では CentOS 6 に Dovecot をインストールする基本的な手順について解説しました。 Dovecot の更に詳細な設定については、今後の別の機会に解説したいと思っております。