本稿では CentOS 6 にオープンソースのデータベースソフトウェア PostgreSQL を yum を利用してインストールする方法について解説します。
yum の設定変更
まずは CentOS 6 の yum の初期設定を変更します。 CentOS 6 の初期状態では、CentOS 6 の標準 yum リポジトリの情報が設定されています。 CentOS 6 の標準リポジトリでも PostgreSQL が提供されていますが、標準リポジトリで提供されている PostgreSQL はバージョンが 8.4 です。 本稿では2015年07月現在で最新の PostgreSQL 9.4 をインストールしたいと思っているので、標準のリポジトリの PostgreSQL がインストールされてしまうのが嫌なので、「標準リポジトリを参照した際に postgresql は参照から除外する」設定を行います。
ファイル /etc/yum.repos.d/CentOS-Base.repo を vi などで開き、[base] と [updates] の両方のセクションに次のように exclude の行を追記します。
...
[base]
name=CentOS-$releasever - Base
mirrorlist=http://mirrorlist.centos.org/?release=$releasever&arch=$basearch&repo=os
#baseurl=http://mirror.centos.org/centos/$releasever/os/$basearch/
gpgcheck=1
gpgkey=file:///etc/pki/rpm-gpg/RPM-GPG-KEY-CentOS-6
exclude=postgresql*
[updates]
name=CentOS-$releasever - Updates
mirrorlist=http://mirrorlist.centos.org/?release=$releasever&arch=$basearch&repo=updates
#baseurl=http://mirror.centos.org/centos/$releasever/updates/$basearch/
gpgcheck=1
gpgkey=file:///etc/pki/rpm-gpg/RPM-GPG-KEY-CentOS-6
exclude=postgresql*
...
これで標準リポジトリの postgresql は参照されないようになりました。
PostgreSQLのyumリポジトリの追加
PostgreSQL は公式の yum リポジトリを提供しており、その yum リポジトリを利用してインストールすることができます。 ここではその公式の yum リポジトリを CentOS 6 で利用できるように追加します。 PostgreSQL 9.4 の yum リポジトリは次のコマンドで追加できます。
64bit版 CentOS 6 を利用している場合
# yum -y localinstall http://yum.postgresql.org/9.4/redhat/rhel-6-x86_64/pgdg-centos94-9.4-1.noarch.rpm
32bit版 CentOS 6 を利用している場合
# yum -y localinstall http://yum.postgresql.org/9.4/redhat/rhel-6-i386/pgdg-centos94-9.4-1.noarch.rpm
PostgreSQL が提供している全ての yum リポジトリは「PostgreSQL RPM Building Project – Repository Packages」のページで確認できます。
利用できる PostgreSQL の確認
PostgreSQL の公式 yum リポジトリを追加したら、さっそく利用できるソフトウェアを確認しましょう。 yum list コマンドで利用できる PostgreSQL の一覧を表示します。
# yum list postgresql*
...
Available Packages
(snip)
postgresql94-server.x86_64 9.4.4-1PGDG.rhel6 pgdg94
...
上記の結果のように postgresql94-server が表示されます。 PostgreSQL 9.4 Server が利用可能だということがわかりました。
PostgreSQL 9.4 のインストール
PostgreSQL 9.4 が利用できることが確認できましたので、yum install コマンドでインストールしましょう。 コマンドは次の通りです。
# yum -y install postgresql94-server
これで PostgreSQL 9.4 のインストールは完了です。
初期化
インストールが完了したら、PostgreSQL 9.4 を初期化します。 service postgresql-9.4 initdb コマンドで初期化を実行します。
# service postgresql-9.4 initdb
Initializing database: [ OK ]
起動設定
サーバマシンを再起動した際に、自動的に PostgreSQL Server が起動するように chkconfig コマンドで設定します。
# chkconfig postgresql-9.4 on
起動と停止
ここまでで PostgreSQL のインストールと初期設定は完了です。 さっそく PostgreSQL を起動してみましょう。 PostgreSQL を起動するコマンドは次の通りです。
# service postgresql-9.4 start
PostgreSQL を停止するときのコマンドは次の通りです。
# service postgresql-9.4 stop
おわりに
本稿では CentOS 6 に PostgreSQL 9.4 をインストールする手順について解説しました。 皆様のお仕事のお役に立てば幸いです。