リモートコンピュータと安全に通信するためのプロトコル「SSH」を実現/利用するためのサーバおよびクライアントソフトウェアの種類について調査したので、せっかくなので本稿でも紹介したいと思います。 もし他にもオススメのソフトウェアがありましたら、ぜひ @webarchlabo にお知らせ頂けますと幸いです。
SSHサーバ (オープンソース)
まずは SSH 接続を受け付けるためのサーバソフトウェアをご紹介します。 ここでは、オープンソースのソフトウェアに絞りました。
OpenSSH
1999年に初版がリリースされて以来 SSH のデファクト・スタンダード・ソフトウェアとして長い歴史を持ち、世界で最も利用されているのが「OpenSSH」です。 OpenSSH はサーバとクライアントの両方の機能を持っており、ほとんどの Unix/Linux OS にデフォルトでインストールされていますので、特別な理由がない限りは OpenSSH を使う事になります。
Apache MINA/SSHD
開発言語 Java で SSH サーバを構築することができるライブラリに「Apache MINA/SSHD」があります。 Apache MINA は Java でネットワークアプリケーションを構築するためのフレームワークライブラリですが、そのサブプロジェクトとして SSHD プロジェクトがあり SSH サーバ構築用のライブラリが開発/提供されています。
SSHサーバ (有償商用ソフトウェア)
調査の際に有償の商用ソフトウェアも見つけることができたので、ここでは一覧で簡単にご紹介します。 それぞれのソフトウェアの詳細は、リンク先をご覧ください。
ソフトウェア | 開発元 |
---|---|
Reflection for Secure IT | Attachmate Corporation |
Bitvise SSH Server | Bitvise Limited |
SSHTOOLS | SSHTOOLS Limited |
Tectia SSH ソリューション | SSH Communications Security |
SSHクライアント
つぎに SSH サーバに接続するためのクライアントソフトウェアをご紹介します。
Poderosa (Windows)
Windows からリモートコンピュータに SSH 接続をする際に(筆者が一番利用していて)オススメなのが「Poderosa」です。 もともとは IPA (情報処理推進機構) の2005年度下期 未踏ソフトウェア創造事業で開発が始まったターミナルソフトウェアで、現在は SourceForge でオープンソース・ソフトウェアとして開発が継続されています。 タブ機能と画面分割機能を持つのが特徴です。
RLogin (Windows)
Poderosa 同様に、画面分割機能とタブ機能を持つ高機能なターミナルソフトウェア「RLogin」は、1998年から開発が継続されている歴史の長い人気ソフトウェアです。 SFTP などによる転送機能も持っていることも特徴です。
Tera Term (Windows)
1994年にオリジナルとなるソフトウェアが開発されて以来、長い歴史を持ち利用者がとても多いターミナルソフトウェアが「Tera Term」です。 独自のマクロ機能があるのが特徴です。
iTerm 2 (Mac OS)
Mac OS では初期状態で「ターミナル」がインストールされており、「ターミナル」から ssh コマンドが利用できるので基本的な機能は備わっていますが、更に高機能なターミナルソフトウェアを利用したい場合は「iTerm 2」が人気でオススメです。 画面分割機能、キーワード検索機能、入力補完機能などが実装されているのが特徴です。
iTerminal
パソコンからだけではなく、iPhone や iPad などからサーバに接続するための SSH クライアントもあります。 有名なものとしては「iTerminal」があります。 外出先から緊急でサーバにログインする必要がある場合などに利用できるかもしれません。 (筆者は MacBook を持ち歩いているので利用していませんが…)
おわりに
本稿では SSH のサーバとクライアントソフトウェアについてご紹介しました。 サーバについては OpenSSH がデファクト・スタンダードではありますが、クライアントについてはご自身で使いやすいソフトウェアを選択してください。